2026年2月19日
【医療機器紹介】手術中の「異変」を逃さない「生体情報モニター」
手術中の「異変」を逃さない。アニホック動物医療センター 小平病院が導入する最新「生体情報モニター」による徹底した安全管理
「手術が必要です」と告げられた時、多くの飼い主様が最初に抱く不安は「麻酔」についてではないでしょうか。「ちゃんと目が覚めるだろうか」「高齢だけど体に負担はないだろうか」……そんな心配は尽きません。
動物医療において、100%安全な麻酔は存在しません。しかし、そのリスクを限りなくゼロに近づけることは可能です。2026年3月に開院するアニホック動物医療センター 小平病院では、手術中や入院中のペットの命を片時も離さず見守るため、最新鋭の「生体情報モニター」を導入いたしました。今回は、この機器がどのようにして皆様の大切な家族を守っているのか、その裏側をお話しします。
飼い主様が最も不安な「麻酔」のリスク。それを最小限にするのがモニターの役割
麻酔をかけると、動物は眠った状態になり、痛みを感じなくなります。同時に、呼吸や心拍、体温調節といった生命維持機能も一時的に抑制されます。この「抑制された機能」が安全な範囲に収まっているかを常に監視し続けるのが、生体情報モニターの役割です。
麻酔中に何が起きている?心臓・呼吸・血圧を数値化して監視
モニターは、心電図、血圧、体温、呼吸状態など、複数の重要なバイタルサインを一つの画面にリアルタイムで表示します。もし心拍数がわずかに下がったり、血圧が変動したりすれば、即座にアラームが鳴り響きます。この「早期発見」こそが、麻酔事故を防ぐ最大の鍵となります。
熟練獣医師 × 最新機器。ダブルチェック体制で守る小さな命
当院では、機械任せにはしません。モニターが示す数値を読み解き、麻酔の深さや点滴の量を微調整する「麻酔担当の獣医師」や看護師が常にそばに付き添います。人の目と最新の機械、この二重の監視体制(ダブルチェック)で、手術の安全性を極限まで高めています。
単なる数値ではない。生体情報モニターが教えてくれる「命のサイン」
具体的に、モニターはどのような情報を私たちに教えてくれるのでしょうか。ここでは特に重要な3つの指標をご紹介します。
SpO2(酸素飽和度):呼吸の状態と酸素供給をリアルタイムで確認
血液中に十分な酸素が取り込まれているかを示す数値です。麻酔中は呼吸が浅くなりやすいため、この数値が下がると酸欠の危険があります。モニターの波形で血液の流れと酸素の状態を一目で確認し、必要であればすぐに人工呼吸器の調整を行います。
カプノグラム(呼気中二酸化炭素濃度):換気状態を詳細に把握
吐き出した息に含まれる二酸化炭素の量を測定します。これにより、肺でのガス交換が正常に行われているか、気管チューブが正しく挿入されているかを確認できます。呼吸トラブルの兆候を最も早く捉えることができる重要な指標です。
非観血血圧:急変の予兆となる血圧変動を素早く検知
手術中の出血や、麻酔薬の影響による血圧低下は、臓器へのダメージにつながります。こまめに血圧を測定することで、循環血液量が保たれているかを確認し、ショック状態に陥るのを未然に防ぎます。
手術室だけではない。集中治療室(ICU)での24時間管理
生体情報モニターが活躍するのは手術中だけではありません。術後の回復期や、重篤な病気で入院している動物たちの管理にも欠かせない存在です。
集中治療室(ICU)では、24時間体制で心拍や呼吸をモニタリングします。言葉を話せない動物たちが発する「苦しい」「痛い」というサインをモニターの数値から読み取り、鎮痛剤の投与や酸素吸入といった処置を迅速に行うことで、闘病中の苦痛を最小限に和らげます。
まとめ:最新の監視システムは、飼い主様の「安心」のための約束
私たち獣医療チームにとって、生体情報モニターは「羅針盤」のような存在です。刻々と変化する体の中の状態を正確に示してくれるからこそ、私たちは迷うことなく最適な治療を行うことができます。
「手術が怖い」というお気持ちは、決して消えることはないかもしれません。しかし、当院ではその不安を少しでも「安心」に変えられるよう、万全の設備と体制でお迎えすることをお約束します。手術や麻酔についてご不明な点があれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

