2026年2月19日
【医療機器紹介】音のない悲鳴を聴く「心臓超音波検査」
「咳が増えた」「散歩で止まる」は心臓のSOSかも?音のない悲鳴を聴く「心臓超音波検査」
「最近、散歩の途中で立ち止まることが増えた」「夜になると『カッカッ』という乾いた咳をする」……。年齢のせいだと見過ごしてしまいがちなこれらの症状、実は心臓からのSOSかもしれません。
心臓病は、犬や猫の死因の上位を占める恐ろしい病気ですが、早期に発見し適切に管理できれば、長く穏やかに暮らすことが可能です。そのための最強のツールが「心臓超音波検査(心エコー)」です。2026年3月に開院するアニホック動物医療センター 小平病院では、循環器診療に特化した最新のエコー機器を導入し、言葉を話せないペットの心臓を守ります。
聴診器だけでは限界がある。「雑音」の正体を映像で突き止める重要性
健康診断で獣医師が聴診器を当てるのは、心臓の音(心音)を聞くためです。ここで「雑音」が聞こえた場合、心臓のどこかで異常が起きている可能性が高まります。しかし、聴診だけでは「どの弁が悪いのか」「どれくらい重症なのか」までは分かりません。
レントゲンとの違い:心臓の「大きさ」だけでなく「動き」と「流れ」を見る
レントゲン検査では心臓のシルエット(大きさ)を確認できますが、心臓の内部構造までは映りません。一方、心エコー検査は、心臓の断面を動画としてリアルタイムで観察できます。「弁がしっかりと閉じているか」「筋肉が元気に動いているか」「血液がスムーズに流れているか」を直接“視る”ことができるため、診断の精度が格段に高まります。
痛みゼロ・麻酔なし。動物たちに負担をかけない優しい検査
心エコー検査は、横になったペットの胸にプローブ(端子)を当てるだけで行えます。痛みは全くなく、麻酔も基本的には不要です。飼い主様に撫でてもらいながらリラックスして受けられるため、心臓に負担をかけずに精密なデータを取ることができます。
犬と猫で全く違う心臓リスク。エコーだから発見できる特有の病気
犬と猫では、かかりやすい心臓病の種類が異なります。それぞれの特性に合わせたチェックが必要です。
小型犬の宿命「僧帽弁閉鎖不全症」:弁の逆流をカラーで可視化
チワワやトイプードルなどの小型犬に圧倒的に多いのが、心臓の左側にある弁(僧帽弁)がうまく閉じなくなる病気です。血液が逆流してしまうことで全身に血液が回らなくなり、肺に水が溜まる(肺水腫)リスクが高まります。エコー検査では、弁の変形具合や逆流の量を正確に測定し、手術適応か投薬治療かを判断します。
猫のサイレントキラー「肥大型心筋症」:分厚くなった筋肉をミリ単位で計測
猫ちゃんに多いのが、心臓の筋肉が内側に向かって分厚くなり、部屋が狭くなってしまう病気です。この病気の怖いところは、聴診では雑音が聞こえないケースが多いこと。元気そうに見えても突然死のリスクがあります。エコー検査で心筋の厚さをミリ単位で計測することでしか、早期発見は難しいと言われています。
アニホック動物医療センター 小平病院が提供する「循環器精密検査」の強み
当院の最新エコー機器には、血流の速度や方向を色で表示する「カラードプラ機能」が搭載されています。
血液の流れを色で見る「カラードプラ」で、逆流の程度を正確に評価
正常な血流は赤や青できれいに映りますが、逆流や乱れがあると色が混ざり合って表示されます(モザイクパターン)。この色の広がり方を見ることで、「軽度」なのか「重度」なのかを一目で判断でき、治療の開始時期を見誤りません。
早期発見が鍵。お薬で進行を遅らせ、穏やかな時間を守るために
心臓病の多くは完治が難しいですが、早期に見つけてお薬を飲み始めることで、進行を大幅に遅らせることができます。「肺水腫」などの苦しい状態になるのを防ぎ、ご家族との幸せな時間を1日でも長く守ることが私たちの使命です。
まとめ:シニア期に入ったら、年に一度は「心臓の健康診断」を
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、心臓病は水面下で進行していることがあります。特に7歳を超えたシニア期や、心臓病になりやすい犬種(キャバリアなど)・猫種(メインクーンなど)のご家族は、年に一度の心エコー検査を強くおすすめします。
アニホック動物医療センター小平病院では、専門的な知識を持った獣医師が、最新の機器を用いて丁寧に診断いたします。咳や疲れやすさが気になったら、まずはご相談ください。

